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日本を代表する女優であり、声優であり、童話作家でもあった岸田今日子さんが
2006年の12月になくなられました。
私にとっては子供の頃に夢中になったムーミンの声の人、
そして幼心にその大人っぽい世界観にドキドキした「傷だらけの天使」の綾部貴子役、
「あのねオサムちゃん、これも大事なお仕事なのよ。わかった?」なんて言っていたあの方!
冷蔵庫からコンビーフの缶詰を空け、それをかぶりつきながら、牛乳を飲むオープニングのシーンを
給食の時間に真似していた私にとっては、とにかくすごい存在の人なのです。
阪急百貨店のお歳暮のCMを演出させていただいた時に、その岸田今日子さんに
声をいただけることになり大感激しました。
麻布のスタジオのブースに入られた岸田さんに指示を出さなければならない私は
トークバックのボタンを押す指が震えたのを覚えています。
「小川に沿ってつづく野ばらの茂みの中に・・・」
原稿を読み始めた岸田さんはさすがの貫禄で非のつけようもない感じでしたが
どうしても秒数をオーバーしてしまいます。
「すいません、岸田さん。秒数に収まらないのでもう少しだけ早く読むことはできますか?」
「はい・・・でも、これ以上早く読むと感情が・・・」
「あ、そこをなんとか!!!!」
今でも、耳を澄ますと、あの時の岸田さんの声が、なんともいえぬ緊張感とともによみがえってきます。
たぶん岸田さんの跡を継ぐ女優さんはそうそう出てこないのではないかな・・・
心からご冥福をお祈りします。
阪急百貨店 やさしくなりたい篇 30秒
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